腱鞘炎はこわい
単純な指の使い過ぎによっておこる腱鞘炎も、全快までに大変時間がかかるので、ピアノを弾く人には警戒しなければならない病気です。
『頭で弾く』奏法によってピアノのおけいこをしてきた人は、ピアノを弾くとは、音を聴き、頭を使うことなので、頭脳の疲労こそあれ指をいためることはありません。
しかし、指の訓練を中心にしたおけいこでは、メカニックをつけたいあまり時間を忘れてしまうので、気がついた時は手遅れになる、という危険性を充分もっています。
ちょっとしたはずみで腱を傷めた場合は、「はり」などで簡単に治ることもありますが、弾き過ぎて万一腱靱炎になってしまったのなら、とにもかくにも休ませることしかありません。
原因は、明らかに使い過ぎなのですから、炎症をとるための湿布をして、その手は絶対安静という覚悟で、しばらくピアノは捨てなければなりません。
注射などで弾きながら直そうなどと思うと、かえって辛い思いをすることになるので、覚悟をきめて何ヶ月か、時には1年位、ピアノを忘れることです。
湿布ははじめが大事で、はじめのうちは3~4時間ごとに取り変えるほうがよいでしょう。
しかし何といっても休めることが第一なので、その後はあせらず、気持を切り変えることが大切です。
症状によっていろいろなので一概には言えませんが、何ヶ月かの安静後の注射が効果てきめん、ということもあります。
また、ラドン温泉による治療は、新陳代謝を促進し、回復をはやめてくれます。
しかし、1年以上は休むつもりでその間、榊状態が悪くならないように他に目的をつくると、それもまた楽しくなるでしょう。
読書やレコード鑑賞なども、ただ漫然とするのではなく、計画的にすると興味が湧いて集中でき、思いがけない収穫になると思います。